揚琴って、どんな楽器?

揚琴(ようきん)の歴史とその特徴を簡単に説明しましょう。

明代後期に中国へ伝来

揚琴

中東の代表的な民族楽器である揚琴は、チター属の打弦楽器。明王朝後期(約400年前)頃伝来しました。当初は広東地域へと入っていきました。

明代後期に中国へ伝来
中東の代表的な民族楽器である揚琴は、チター属の打弦楽器。明王朝後期(約400年前)頃伝来しました。当初は広東地域へと入っていきました。

歴史の新しい中国民族楽器

モノクロ画像で撮った揚琴

揚琴の元祖であるダルシマーは、ヨーロッパではツィンバロンやピアノへと発展し、西アジア、イランではサントゥールとなって定着。揚琴のルーツがピアノにも通じる所以は、そこにあります。

歴史の新しい中国民族楽器
揚琴の元祖であるダルシマーは、ヨーロッパではツィンバロンやピアノへと発展し、西アジア、イランではサントゥールとなって定着。揚琴のルーツがピアノにも通じる所以は、そこにあります。

現在も改良の続く楽器

変音装置

伝来されてから現在も、職人の手によって楽器改良が行われています。例えば、変音装置。半音の移動が可能になり、12平均律を持つようになりました。

現在も改良の続く楽器
伝来されてから現在も、職人の手によって楽器改良が行われています。例えば、変音装置。半音の移動が可能になり、12平均律を持つようになりました。

全ての音に微調整付き

滾軸(こんじく)

装置の名は滾軸(こんじく)。音を微調整するコマで、ローラーのように左右に動かして、音程を調整します。

全ての音に微調整付き
装置の名は滾軸(こんじく)。音を微調整するコマで、ローラーのように左右に動かして、音程を調整します。

ニックネームもいろいろ!

揚琴拡大図

西洋から入ってきた、ということで「洋琴」。素材が木であることから「楊琴」。姿や形から「蝴蝶琴」「扇面琴」とも呼ばれます。
※このサイトでは「揚琴」の表記に統一して使っています。

ニックネームもいろいろ!
西洋から入ってきた、ということで「洋琴」。素材が木であることから「楊琴」。姿や形から「蝴蝶琴」「扇面琴」とも呼ばれます。
※このサイトでは「揚琴」の表記に統一して使っています。

揚琴の演奏方法は?

演奏撥

両手に演奏撥(チンチェン)を持ち、弦を直接叩き奏でます。材質は竹。しなやかさを利用して演奏します。

揚琴の演奏方法は?
両手に演奏撥(チンチェン)を持ち、弦を直接叩き奏でます。材質は竹。しなやかさを利用して演奏します。

チューニングレバー

チューニングレバー

揚琴には150本以上の弦が張られています。低音域は纏弦(銀、もしくは銅)が、中〜高音域には鋼弦(スチール)が張られています。纏弦は1弦で1音ですが、鋼弦は2〜5本で1音を出します。これが弦の数の多さにつながっています。

チューニングレバー
揚琴には150本以上の弦が張られています。低音域は纏弦(銀、もしくは銅)が、中〜高音域には鋼弦(スチール)が張られています。纏弦は1弦で1音ですが、鋼弦は2〜5本で1音を出します。これが弦の数の多さにつながっています。

調律も演奏パフォーマンス!

ただいま調律中

調律は、演奏をすることの次に大切な楽器の調整。特に日本では季節によって気温湿度に左右されます。演奏の前に軽く調律…演奏パフォーマンスの1つです。

調律も演奏パフォーマンス!
調律は、演奏をすることの次に大切な楽器の調整。特に日本では季節によって気温湿度に左右されます。演奏の前に軽く調律…演奏パフォーマンスの1つです。

揚琴の裏側(共鳴孔)

揚琴の裏側

表面の弦を叩き奏でると、楽器本体が響き裏面の共鳴孔を通じて音が広がる仕組みになっています。ここを見ることが、良い揚琴を見分けるポイントにもなります。

揚琴の裏側(共鳴孔)
表面の弦を叩き奏でると、楽器本体が響き裏面の共鳴孔を通じて音が広がる仕組みになっています。ここを見ることが、良い揚琴を見分けるポイントにもなります。

現在の揚琴

揚琴の全体像

音域は4オクターブ以上、亜洲紫檀の本体、天然貝装飾。まるで家具のようです!

現在の揚琴
音域は4オクターブ以上、亜洲紫檀の本体、天然貝装飾。まるで家具のようです!